禁断の市場 フラクタルでみるリスクとリターン
「フラクタル幾何学」のマンデルブロの本。内容はマンデルブロ本人や他の人の本などで読んだことがあるものも多かったが、「これを認めさせるためにこんなことをした」とか「今でもお互いの意見が食い違っている」など、マンデルブロの仕事に対する熱意の強さが伝わってくるエピソードが多かった。(とはいえ、以下のメモはそのような部分とは関係ない)
・第2章 運を決めるのはサイコロか?弓矢か?
ー無限に続く壁を目の前にして目隠しして弓矢を打ったとき
壁にかけられた的と弓矢が当たった場所の距離の分布は
コーシー分布になる。
→コーシー分布は極端に外れた値を含む分布
・第3章 バシェリエの功績
ーバシェリエの博士論文は「投機の理論」
→初めて確率の考え方で市場の動きを説明しようとした
ーファーマの効率的市場仮説
→理想的な市場においては証券価格は関連する情報すべてを
反映したものである。
・第4章 金融工学の楼閣
ーマーコヴィッツ リスクの定式化
→平均値と分散でリスクを定式化
ーマーコヴィッツのポートフォリオ
→銘柄ごとの共分散を考慮
ーシャープからマーコヴィッツへの問い
Q.「市場の参加者がすべてポートフォリオ理論に従って
株式を売買するとどうなる?」
A.「市場参加者全員に対して一つのポートフォリオしか
なくなる」→インデックスファンド
ーシャープの資本資産価格モデル
・市場全体の動向による影響を表すβによってリスクを評価する
ーブラック・ショールズの公式
・リスクに値段を付けるための公式
・第5章 金融工学の落とし穴
ーブラック・ショールズのオプション価格付けに使われている
正規分布の過程によれば、ダウジョーンズ工業平均株価において
5σを超える変動は7000年に一度しかおこらないはずだが、
実際には3~4年に一回起こっている。
・第7章 凸凹の研究ーフラクタル入門
ー社会におけるフラクタル
・南ザンビアのバイリ住居の空中写真
村がフラクタル的な階層構造となっている。
・第8章 綿花価格のミステリー
ーパレートの所得分布
・戦前は「理論的な全体主義者」と言われていた
ーL-安定な分布
・レヴィによって示された、新しいメンバーを追加しても
分布がかわらない分布
・第9章 長期記憶ーナイル川から市場まで
ーイギリスの水理学者ハーストがナイル川にダムを造る際
どのくらいの高さのダムを造ればよいか?という問題に
取り組んだ。
・水位の変化がランダムウオークであれば、変化の幅は時間の平方根
になるはずだが、実際にはそれより少し大きい0.73乗になる
ことが(いろいろな河川のべ5000年分のデータを使って)分かった。
→変動の広がりにに寄与する時間の指数をハースト指数と呼ぶことにする
・第10章 ノア、ヨセフ、そして市場のバブル
ーバブルの発生 例えば小麦の価格が悪天候であがっているような
場合を考えると、「さらに悪天候が続き、価格が上がる可能性」が
考慮され日ごとに価格が上がっていく。ある日天候が好転すると
オーバシューティング的に価格が下がる。
・第11章 トレーディング時間のマルチフラクタル
ートレーディングルームを見ていると、とても忙しい時間と
そうでない時間があることが分かる。それぞれスケールの違う
トレーディング時間を持っているかのようである。
ーブラウン運動の母親と、マルチフラクタル時間の父親を掛け合わせて
(つまり時間のスケールを変動させて)作成したランダムな時系列を
市場のモデルとする。
ー一方、GARCHモデルはボラティリティが履歴に応じて変化する
・第12章 禁断の金融10か条
ー乱流に関する研究で、潜水艦にマイクをつけて乱流の中を
進むときの音を記録したが、このテープは早回ししても
同じように聞こえた。
・第13章 実験室にて
ー市場価格から逆算するインプライドボラティリティは
行使価格に対して一定になるはずであるが
実際には行使価格に対して減少関数になることが観測される。
ーモルガンスタンレー社では「分散ガンマ過程」という
マンデルブロの「マルチフラクタルなトレーディング時間」と
近い考え方を使っている
「フラクタル幾何学」のマンデルブロの本。内容はマンデルブロ本人や他の人の本などで読んだことがあるものも多かったが、「これを認めさせるためにこんなことをした」とか「今でもお互いの意見が食い違っている」など、マンデルブロの仕事に対する熱意の強さが伝わってくるエピソードが多かった。(とはいえ、以下のメモはそのような部分とは関係ない)
・第2章 運を決めるのはサイコロか?弓矢か?
ー無限に続く壁を目の前にして目隠しして弓矢を打ったとき
壁にかけられた的と弓矢が当たった場所の距離の分布は
コーシー分布になる。
→コーシー分布は極端に外れた値を含む分布
・第3章 バシェリエの功績
ーバシェリエの博士論文は「投機の理論」
→初めて確率の考え方で市場の動きを説明しようとした
ーファーマの効率的市場仮説
→理想的な市場においては証券価格は関連する情報すべてを
反映したものである。
・第4章 金融工学の楼閣
ーマーコヴィッツ リスクの定式化
→平均値と分散でリスクを定式化
ーマーコヴィッツのポートフォリオ
→銘柄ごとの共分散を考慮
ーシャープからマーコヴィッツへの問い
Q.「市場の参加者がすべてポートフォリオ理論に従って
株式を売買するとどうなる?」
A.「市場参加者全員に対して一つのポートフォリオしか
なくなる」→インデックスファンド
ーシャープの資本資産価格モデル
・市場全体の動向による影響を表すβによってリスクを評価する
ーブラック・ショールズの公式
・リスクに値段を付けるための公式
・第5章 金融工学の落とし穴
ーブラック・ショールズのオプション価格付けに使われている
正規分布の過程によれば、ダウジョーンズ工業平均株価において
5σを超える変動は7000年に一度しかおこらないはずだが、
実際には3~4年に一回起こっている。
・第7章 凸凹の研究ーフラクタル入門
ー社会におけるフラクタル
・南ザンビアのバイリ住居の空中写真
村がフラクタル的な階層構造となっている。
・第8章 綿花価格のミステリー
ーパレートの所得分布
・戦前は「理論的な全体主義者」と言われていた
ーL-安定な分布
・レヴィによって示された、新しいメンバーを追加しても
分布がかわらない分布
・第9章 長期記憶ーナイル川から市場まで
ーイギリスの水理学者ハーストがナイル川にダムを造る際
どのくらいの高さのダムを造ればよいか?という問題に
取り組んだ。
・水位の変化がランダムウオークであれば、変化の幅は時間の平方根
になるはずだが、実際にはそれより少し大きい0.73乗になる
ことが(いろいろな河川のべ5000年分のデータを使って)分かった。
→変動の広がりにに寄与する時間の指数をハースト指数と呼ぶことにする
・第10章 ノア、ヨセフ、そして市場のバブル
ーバブルの発生 例えば小麦の価格が悪天候であがっているような
場合を考えると、「さらに悪天候が続き、価格が上がる可能性」が
考慮され日ごとに価格が上がっていく。ある日天候が好転すると
オーバシューティング的に価格が下がる。
・第11章 トレーディング時間のマルチフラクタル
ートレーディングルームを見ていると、とても忙しい時間と
そうでない時間があることが分かる。それぞれスケールの違う
トレーディング時間を持っているかのようである。
ーブラウン運動の母親と、マルチフラクタル時間の父親を掛け合わせて
(つまり時間のスケールを変動させて)作成したランダムな時系列を
市場のモデルとする。
ー一方、GARCHモデルはボラティリティが履歴に応じて変化する
・第12章 禁断の金融10か条
ー乱流に関する研究で、潜水艦にマイクをつけて乱流の中を
進むときの音を記録したが、このテープは早回ししても
同じように聞こえた。
・第13章 実験室にて
ー市場価格から逆算するインプライドボラティリティは
行使価格に対して一定になるはずであるが
実際には行使価格に対して減少関数になることが観測される。
ーモルガンスタンレー社では「分散ガンマ過程」という
マンデルブロの「マルチフラクタルなトレーディング時間」と
近い考え方を使っている