神経経済学入門―不確実な状況で脳はどう意思決定するのか
・「反射」と「自由意志」が従来は相容れないと思われていた
・動物実験の結果を考えるとそれらは両立し得る
というのが論旨だと思う。
・第4章 Cherles Scott Sherringtonのパラダイムにおける限界の発見
ー Sherringtonの猫:
猫が寝ている間に地下室に連れて行って、ぬるま湯の中につけてすべての
感覚入力を奪ったら猫は動き出さないだろうか
→きっと動き出すだろう。反射だけではないなにかがある。
→T. Graham. Brown のもっと巧妙な実験によって数十秒だが
「感覚入力が全くないが足踏みをする猫」が実証された。
ー Kohmmullerの実験:
麻酔で全く眼球を動かすことができない状態にして、
「右を見る」と(本来は世界全体が左に動くはずなのに
動かないので、)被験者は自分の体が左に回されたような感じがする。
→「右を見る」という出力信号が「右を見たはず」という
入力信号にもなり得る
ー Weissのサンショウウオ
前後の脚を取り替えたサンショウウオは歩くことができなかった。
→神経はモジュール化されている可能性
ー 反射といって手の初期位置によって動く筋肉は違う
・第9章 進化、確率、経済学
ー Krebsのシジュウカラ
ミルワーム捕食実験。大きなミルワームと小さなミルワームが
それぞれ同じ頻度でベルトコンベアに乗って運ばれてくる。
だんだん頻度を上げていくと、シジュウカラは大きなミルワーム
だけ捕食すればよい、とエネルギー摂取率最大化公式から導かれる。
→事実シジュウカラはその通りに行動した。
→ただし、小さいミルワームを捕食する回数が0回になることは
なかった。たまにサンプリングする必要があるから?
・第11章 信じられないほどの不確実性とゲーム理論
ー 白玉に落とされまいとする黒玉の行動:
ビリヤード台の上で能力が上回る白玉に狙われている黒玉が
穴に落とされる確率を100%でなくすための手段は
予測不可能に行動すること。
ー Harperのカモ:
カモの群れに対して頻繁にえさを投げるAと、たまにしか投げないB
の前にカモはどのように群がるか?
→それぞれ、Nash均衡になる割合で群がる。
半数のカモがえさを受け取る前にそうなる。