ミラーニューロンの発見―「物まね細胞」が明かす驚きの脳科学 (ハヤカワ新書juice)
ミラーニューロンは他者の行動を見て脳内でその行動を模倣する際に活性化するニューロンのことらしい。ミラーニューロンの発見以前は、他者の意図を理解するためには行動を観察した結果を自分の経験を使って統合して理解するもの、と考えられていた。しかしミラーユーロンはそういった理解とは全く逆の事実を示す。脳はまず先に他者の行動の意図を模倣し、その後に行動を理解すると動くようだ。
本書の中にも登場するが、ある俳優の言葉として「私たちはミラーニューロンの発見以前からその存在を知っている。なぜなら私たちの演技(たとえば悲しそうな顔)を見て観客は私たちの心情を想像するのだから」を紹介している。
確かに人は他人に感情移入できるが、それが経験を統合した結果ではなく先に感情移入があってその後経験と照らし合わせていると言うのならかなり驚きだ。
本書の最後の方に急ぎ足で書いてあってやや消化不良なのだが、ミラーニューロンはデカルト的な「我思う故に我あり」より実存主義の現象学の「現象そのものに帰る」考え方を支持すると言う。確かに他者の模倣が思考のスタート地点であれば「我思う」の立場が怪しくなる気もするが、この辺りもう少し解説してほしかった。
ミラーニューロンは他者の行動を見て脳内でその行動を模倣する際に活性化するニューロンのことらしい。ミラーニューロンの発見以前は、他者の意図を理解するためには行動を観察した結果を自分の経験を使って統合して理解するもの、と考えられていた。しかしミラーユーロンはそういった理解とは全く逆の事実を示す。脳はまず先に他者の行動の意図を模倣し、その後に行動を理解すると動くようだ。
本書の中にも登場するが、ある俳優の言葉として「私たちはミラーニューロンの発見以前からその存在を知っている。なぜなら私たちの演技(たとえば悲しそうな顔)を見て観客は私たちの心情を想像するのだから」を紹介している。
確かに人は他人に感情移入できるが、それが経験を統合した結果ではなく先に感情移入があってその後経験と照らし合わせていると言うのならかなり驚きだ。
本書の最後の方に急ぎ足で書いてあってやや消化不良なのだが、ミラーニューロンはデカルト的な「我思う故に我あり」より実存主義の現象学の「現象そのものに帰る」考え方を支持すると言う。確かに他者の模倣が思考のスタート地点であれば「我思う」の立場が怪しくなる気もするが、この辺りもう少し解説してほしかった。