アーキテクチャの生態系

「長居しないように椅子を硬めにしてお客の回転率を上げる」という例に見るように系の制限がユーザの行動を誘導する仕組みをこの本では「アーキテクチャ」と呼んでいる。そして「生態系」とはそのようなアーキテクチャが生物の世界と同じように淘汰されていくことを表している。
 しかし、そんなことよりも個人的にはケータイ小説の「ケータイ」のアーキテクチャに注目した行間の読み方に非常に納得させられた。

以下、メモ:

・Google:
 ページランクにより、ユーザによる推薦情報を機械的に抽出する仕組みで繁栄。

・Blog:
 リンクを簡単に貼ることのできる仕組みが、Googleのページランクという
 環境の上で繁栄。

・2ちゃんねる
 Googleには現れない(dat落ちしてしまうので)世界で繁栄。全員匿名で逆に
 常連を排除したアーキテクチャ。匿名だが同じ言葉を使うことで擬似的な内輪。

・mixi
 儀礼的無関心=「電車の中で目が合ってもお互いすぐに目をそらすような無関心さ」
  ↓
 あしあとがついてしまうことで、強制的関心=「自分に誰が関心を持っているか分かる」

・Winny
 自分が何を配布可能にしているのか知ることができない。
 人気の高いファイルは多くのノードにコピーされる。

・Second Life
 時間と位置を同期させないと他のユーザに会えないので、なんとかく
 人口密度が低い(=閑散としている)印象

・チャット
 同期

・Twitter
 選択同期

・ニコニコ動画
 疑似同期

・ケータイ小説
 昔のPHSには文字数制限の異なる二つのメールシステムがあった。
 「恋空」では直接語られていないが、二つのアーキテクチャの異なる
 メールの使い分けが行間で意味を持っている部分がある。
 全体的にケータイ操作ログなのだが、ケータイを日常的にコミュニケーションに
 使っているならそれはリアリティのあるコミュニケーションのログになり得る。

以上